ローマに近そうで遠い港
5個目の寄港地は、ローマへの港として利用されるチビタベッキアです。
エクスカージョンも、ローマ行きのツアーがたくさん用意されていました。
しかし、ネットでの情報を見ると、”チビタベッキアからローマは実は結構遠くて、日帰りしようとするとローマで過ごす時間が短くなってしまう” と書かれていました。
そこで我々は、ローマにはクルーズ後の11月に陸路でゆっくり行くこととし、この日はチビタベッキア内を散策することにしました。
港から市内へ
ローマに向かう人たちは朝8時になると一斉に船を出て行きましたが、我々はのんびりと卓球などをやって過ごし、船を降りたのは11時近く。
港から市内へは、シャトルバスに乗車。ここでのシャトルは無料でした。
シャトルを降りて周囲を見渡した第一印象は”ややさびれた港町”という感じ。
市内を散歩していると、支倉常長の銅像がありました。
400年前、伊達政宗の命を受けこの港に降り立ち、ローマ教皇と謁見したことで有名らしいです。
テルメタウリン温泉へ
前日にトリップアドバイザーで、チビタベッキア内の有名な観光地を調べたところ、
“テルメタウリン温泉“という場所がヒットしました。市内から5キロほど先にある、『ローマ帝国時代の温泉遺跡』らしいです。
ネット上の写真には水着を着て、その遺跡でお湯に浸かる人の姿も載っていました。
「古代の温泉に入れるとか最高じゃん!」ということで、この日は二人とも下着の代わりに水着を着てワクワクで向かいました。
バスチケットの買い方
テルメタウリンは歩くと1時間ほどかかるので、鉄道の駅から市バスで行くことが推奨されています。
駅に到着すると、“バスのチケットは駅構内のカフェで販売しています”という張り紙を発見。
カフェでチケット販売って不思議だなぁと思いつつも、カフェの店員さんに、マップを見せ、ここに行きたい旨を伝えると、速攻でレジからチケットを2枚取り出して販売してくれました。
以前ウクライナの空港で、カフェの店員にSIMカードのアクティベーションをやってもらったことがありますが、海外のカフェはなんでもやるんですね。
チケットは1枚1ユーロです。これで、Line Bというバスに乗って30分ほどで到着します。
バスの時刻表には12時10分と書いてありましたが、12時5分にやってきました。
乗車後、チケットを車内の機械に入れ、席に着いて一安心。
すると、まだ定刻前にもかかわらず出発しちゃいました。おそるべし。
バスはグネグネと田舎の住宅街にあるバス停をいくつも回って進みます。
ローカル体験ができて楽しい旅でした。
貸し切りテルメタウリン
人通りのない奥地に、ひっそりとその遺跡はありました。
バスを降りると、係の人らしき人が立っていて
「帰りのバスは今日はもう無いけど大丈夫かい?」と心配そうに聞かれました。
帰りはのんびり歩く覚悟で来ていたので、「オッケー👌」と伝えて中へ。
受付でチケットを2枚(1枚5ユーロ)を買って、施設内に入ると、そこには誰の姿もありません。
人気の観光地のはずですが、1時半で施設閉館するため、観光客は午前に来るようです。
僕らが到着したのは12時半過ぎなので、少ない理由は納得ですが、それにしても貸切とは驚き。
もう一つびっくりしたこと。
それは、まったくお湯がないことです。
受付でもらった資料を見ると、”温泉遺跡内にはもはやお湯は残っていません”と書いてありました。
僕が見た、水着を着てお湯に浸る観光客の写真は、おそらくどこか別の場所で撮られたものだったのでしょう。
何も知らずノリノリで、中に水着を着てきたことが、滑稽に思えてきました。
というわけで、誰もいない、お湯もない古代の温泉遺跡を、のんびり二人で見て回りました。
2000年も前に、これだけの施設を作り、中で入浴や、サウナや、読書を楽しんでいたのかと思うと感心させられます。
閉館時間も近づいてきたので、帰ろうとすると、チケットを販売してくれた係の人が、
「市内まで車で帰るから乗せて行くよ」と提案くださりました。
正直5キロは歩きたくなかったので、お言葉に甘え、乗車して帰ってきました。
色々ひっくるめてすごく貴重な体験となりました。
ラーメン
市内に戻り、適当にお散歩をしていると、ふと日本の音楽が聞こえてきました。
目をやると、そこにはいくつかの屋台が立ち並び”RAMEN”や”GYOZA”という看板がありました。
匂いと音楽につられて近づくと、「お、日本の方ですか?」と日本人の店員さんたちから話しかけられました。
彼らはローマ市内でラーメン屋や餃子屋さんを営む日本人で、ごく稀にチビダベッキアでも屋台販売しているようです。
思わぬところでの日本人との触れ合いが嬉しく、ちょうど小腹も空いていたのでラーメン一杯(8ユーロ)いただいてみました。
とても美味しく、ローマに行った時にはぜひお店に足を運んでみようと思います。
楽しい夜
食後は船の時間まで余裕があったので、港近くのカフェに入り、翌日の予定を立てたり、クルーズ後の宿や交通手段の手配など、じっくり時間をかけて行うことができました。
夜、船に戻るとローマ帰りの乗客はみんなお疲れの様子。僕らは体力が有り余っていたので、夕食後、卓球をし、ジャグジーに入りました。
ジャグジーには僕らの他に一人だけおじさんが入っていました。
自然と会話が始まり、このオーストラリアから来たジョンさんと1時間ほど楽しく会話し、新しい英語表現なども教えてもらい、有意義な1日の締めくくりとなりました。
船の生活、ちょっぴり飽きてきました。
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