今週は内容が盛り沢山になったので、2回に分けてブログを投稿します。
ニュージーランドの状況
ロックダウン延長
3月26日から始まった4週間のロックダウンの最終週。
本来だったら今日はパースからクアラルンプールに飛ぶ日でした。
このルートで渡航できる日が来るのはいつになるのか。— Yusuke Aizawa (@aizy_tw) April 20, 2020
先週以前のブログで紹介した通り、ニュージーランドのロックダウンは成功し、
感染者の拡大を抑えこみ、国内で残る感染者は100人以下となりました。
この度、4週間経過目前となり、4月20日に政府が
“ロックダウンをもうしばらく継続する” という新たな方針を発表しました。
具体的には、現在の警戒レベル4(=Lockdown[ロックダウン])を4月27日まで据え置き、
4月28日にレベル3(=Restrict[制限])に警戒レベルを下げるという内容です。
レベル3は2週間とし、2週間後の5月11日にその後の方針を決定するとのこと。
警戒レベル3とは
レベル3の下で何ができて何ができないか、という行動指針は、先週時点で細かく発表されていました。
自分たちに関係する箇所だけ抜粋してまとめると、以下のようになります。
- 引き続き“Stay Home”が前提
- 都市を跨いだ移動は制限(ただし、ロックダウンを過ごしていた場所が不適切であれば、一度に限り移動が可能)
- 飲食店は引き続きストップするが、フードデリバリーなどのサービスは再開
- これまで認められていたサイクリング、散歩、ジョギングに加えて、以下のアクティビティは「他人と触れ合わないことを前提に」可能に:ハイキング、釣り、スイム、サーフィン(ただし、居住地域内の海や山に限る)
- 公共のレクリエーション施設(無料のキャンパーサイトなど)は引き続き閉鎖

「これが、レベル3。」
つまり、僕たち夫婦の生活は、レベル3になっても変わらず、
引き続き引きこもり、たまに運動がてら海や山に行ったり、必要であればUber Eatsなどで食事のオーダーが可能になる
という感じになります。
一方で、
建設、製造、林業などの経済活動が開始となり、
学校は一部再開(10歳以下)し、結婚式と葬式も参列者10人を上限に認めるなど、
経済や教育は少しずつ動き始めるため、大きな前進です。
レベル3になってこの家の主であるサラが帰ってくる、という可能性はありますが、
基本的には5月11日までこの家での引きこもり生活が続くと考えていいでしょう。
引き続き、時間を大切にして、二人で仲良く、意義のある日々を過ごそうと思います。
【NZ】ロックダウン成功で、一週間後に緊急レベルを4から3に引き下げ決定。
そこから2週間はレベル3で様子見。
レベル3下では、引き続きstay homeが前提になるけど、経済と教育は部分的に動き始める。
日常を取り戻すまであと一息。@nzherald https://t.co/cd8dKTzljm— Yusuke Aizawa (@aizy_tw) April 20, 2020
さすがのNZ
今回のニュージーランド政府の一連のコロナ対策を絶賛しまくっている僕ですが、
レベル3の下での行動指針を見るにつけても「さすがだなぁ」と思わずにはいられません。
2つほど例をあげると、
- お葬式や結婚式の人数を明確に「10人まで」と規定
- サーフィンを認めるけれど「あなたが素人で、誰かに教わる必要がある場合は不可」
など、内容が具体的なのです。
これはきちんと、国民の目線に立って行動指針を作っている証拠で、
皆んなが混乱しないような配慮がなされていて、いちいち感心します。
首相や政府は勿論すごいですが、本を正せば、正しい政党を与党として選任した国民がすごいということです。
お勉強
日本の財政
消費税増税絡みで、日本の財政赤字がどうだこうだとかの特番をyoutubeで見たことをキッカケに、経済を勉強してみることにしました。
まず、経済の大前提としての「貨幣」について、
「貨幣の起源は物々交換である」という伝統的な考え方を否定し、
「貨幣は負債である」=「誰かがお金を借りた時に初めて貨幣は誕生する」
という、現代貨幣理論(以下:MMT)が、説明としてしっくりきたので、
この一週間は、この説を唱える学者さんたちの本を読んだり、youtubeで動画を見たりして勉強しました。
MMTは、現在の日本政府が採っている財政政策を真っ向から否定する考え方で、具体的には
今は、デフレ脱却のために「消費税は撤廃すべき」「競争を抑制すべき」「公共事業をバンバンやるべき」という立場をとります。
今週いっぱいMMTにどっぷり浸かっていたため、
僕自身も今は「この20年間の日本の政策は実はだいぶマズかったし、このタイミングで消費税増税は相当な愚策だ」という考え方に至っていますが、
一方の意見だけを知って立場を決めては危ういので、今後時間を見つけて、これを否定する人たち(竹中平蔵さん等)の著書も読んで勉強しようと思います。
ただ、少なくとも討論番組などを見ている限りにおいては、MMTを支持する人たちの方が理に適ったことを言っているし、大きな権力や慣習に対して知識を武器に立ち向かう様に惹きつけられます。
特に、このMMT支持者の中心人物の一人、中野剛志さんは、数年前にTPPの有識者として「とくダネ」にゲスト出演した際に、国民とメディアの馬鹿さ加減を嘆いてスタジオでキレた姿が衝撃的で、強烈に惹きつけられたのですが、
MMTの勉強を通して彼の著書にもたくさん触れるキッカケができて益々ファンになりました。
↑この本が一番わかりやすいと思います。
最近ヒマだから、日本の財政について勉強してたけど、過去20年くらいけっこうトンチンカンなことやってることがわかった。このままズルズルいくのかと思うと、超萎える。
— Yusuke Aizawa (@aizy_tw) April 20, 2020
中世ヨーロッパ
先週、中世から近代にかけてのヨーロッパについて、漫画や教科書で勉強しました。
教会の対立(カトリックとギリシャ正教)、カトリック内での教皇と皇帝の権力の拮抗、イスラム勢力との戦い
など、宗教を通して複雑に絡み合う世界は、宗教心が薄い僕には腹落ちしない部分もあり、
きちんと理解すべく、今週は以下の2冊の小説の世界に入って勉強しました。
『コンスタンティノープルの陥落』
東ヨーロッパの覇権ビザンツ帝国が、イスラム勢力(オスマントルコ)に滅ぼされる戦いを、それに関わる多数の人の目線から描いた作品。
11世紀後半以後、ビザンツ帝国は不振に陥り、領土も縮小し、1453年オスマン帝国に滅ぼされた。
と、教科書ではたった1行で紹介されている、コンスタンティノープル(=ビザンツ帝国の都)の陥落には、数えきれないほどのドラマが詰まっていました。
やはり、歴史は深掘りしてこそ面白い。
この作品はビザンツ帝国側の人たちに焦点を当てて描いていますが、
僕は、敵の長であるメフメト2世(オスマン帝国の皇帝)の、カリスマ性(&サイコパスっぷり)に強く惹かれました。
天才的な軍事の才能を発揮して、難攻不落の都を落としたその当時の彼は、なんと21歳。
今の時代なら大学生の年齢です。
戦争を肯定する気はありませんが、
20万人の軍勢を率いて、1,000年以上続いた帝国を滅ぼした21歳の若き皇帝には、ロマンを感じます。

『皇帝フリードリヒ2世の生涯』
13世紀の神聖ローマ帝国の皇帝フリードリヒ2世の生涯を綴った作品です。
この皇帝のことは、同じ名前の18世紀の皇帝の影に隠れて、教科書にもほとんど記述がなく、何も知らなかったのですが、
今や僕にとって、尊敬する歴史上の人物の上位にランクインしました。
「玉座上の最初の近代人」と言われており、彼の超合理的な政策は、生前は理解されなかったことも多く、「生まれるのが早過ぎた天才」とも呼ばれています。
彼がやったことの中からいくつか紹介します。
- 政策と宗教を切り離し、宗教関係なしに優秀な人材を登用した
- 教皇の影響から外れた近代的な大学を初めて建設し、現在の奨学金制度の基礎を作った
- 武力に頼らず、交渉によってイスラム教からイェルサレムを奪回した
- 最先端の科学や芸術に精通し、学者や芸術者を保護した
現代人の感覚で聞くと、これらの実績は、いずれもすばらしい功績なのですが、
当時のコテコテのキリスト教世界では、「アンチ・キリスト」と非難され、ローマ教皇からも破門された“イタい皇帝”のような評価だったようです。
最後の、学者や芸術家の保護については、彼が死んだ300年も後にヨーロッパ全体が目覚めて、ルネッサンス(文芸復興)の波が来ます。
つまりルネッサンスの300年前に、ルネッサンスを進めていたという超先進的な皇帝なのです。
まさにロマンの塊です。

塩野七生さんの作品
以上2冊は、いずれも塩野七生さんの作品です。
史実に寄り添った形で、実在した人物に焦点を当て、読者が追体験できるような書き方で、
当時のヨーロッパにタイムスリップした気分で、夢中になって読みました。
彼女の作品は、高校生の時に『ローマ人の物語』を買って5ページくらいで挫折してしまった苦い思い出があり、以来初めて作品を手に取りました。
いやぁ、こんなに面白いとは。
高校生の時は「こういう小説読んでる俺かっこよくね?」とかいう浮ついた動機でしたが、
今回は、そういう動機がゼロではないにしても、本当に歴史に興味を持って読んだし、
実際に訪れたヨーロッパ各都市のイメージを持ちながら読めたので、面白く思えたのでしょう。
これを機に全15巻(文庫は43巻)ある『ローマ人の物語』も再挑戦して見ようかと思います。
パパの宿題
先々週のブログで、“パパ(奥さんのお父さん)がスマホを買って、僕が出した課題に取り組んでいる”というエピソードを紹介しました。(こちら)
2つ目の課題として用意した
「10~15秒程度の動画を撮ってLINEで送ってください。ただし動画の中にはママとチャオ(愛犬)を入れること」(制限時間:1週間)
という課題について、
制限時間を過ぎても動画が送られて来なかったので、火曜日の夜に電話をかけ、それとなく進捗を確認しました。
ほろ酔いで電話に出たパパ。

「おー!元気かぁ?」

「チャオもいるぞー」
一通りご機嫌で楽しい話をした後に、
「ところで、課題の進捗はどうですか?」
と問うと、

「…ちょっとその話はしないで。」
と速攻で話を逸らされました。
課題が難し過ぎたかと反省し、口頭で動画の撮り方を説明し、「短い動画でもいいです。」と少し難易度を下げると
「わかった、それならできそうだ。」
と再び前向きになってくれました。
電話を切った数分後、半信半疑で待っていると、
パパから早速動画が送られてきました。
その動画が、こちら↓
パパが初めてスマホで撮影した動画
スタンプが謎すぎる笑 pic.twitter.com/dXwOyAh0JF
— Yusuke Aizawa (@aizy_tw) April 21, 2020
「あれ?すぐ止まっちゃうねぇ、なんで?」
と困惑し、チャオに牙も向けられながらも頑張って撮影をしてくれたパパ。
しかも加点を狙ったのか、画面中央に謎のスタンプまで貼って動画を送信してくれた姿を想像すると、
提出期限は過ぎたけれど、満点をあげたくなります。
パパを疲れさせてはいけないので、次の課題は少し間を空けてから出そうと思います。
最終的なゴールは、パパに星野源とのコラボ動画(安倍総理風)を撮って送ってもらうことです。
ここに行き着くまでの技術面と心理面の壁は相当高いはずですが、少しずつ登っていってほしいです。
今後も新しい課題に取り組んでもらったら、都度ブログで紹介しようと思います。

パパ、頑張ってね!
歴史は繰り返すし、新しい未来を作る際に参考になるものだな…と常々思っています。
お二人も1000年後とか10000000年後とかに残る歴史を作っていってください。
てかイエーイ!初コメ!新しい歴史を作りました!
初コメありがとうございます!
仕事の速さ、さすがとしか言いようがありません。
歴史についても、まさに仰る通り!
千万年後(0数えました💦)は難しいかもしれませんが、死んでも語り継がれるような生き方をしたいですね。
そのためにこれからも二人に力を貸してください。
ちなみに明日公開予定のブログには、かねこちゃんも登場するので、お楽しみに!
フリードリヒ2世ね。そうだよね。
パパに早く課題出して欲しい
お、こんな身近にフリードリヒ知ってる人がいたとは、嬉しいな。
パパの次の課題は大体決まったよ。
でも、気分が乗ってる時にお願いしないといけないから、タイミング見計らってるところ。お楽しみに。
暇だから仕事中に見てたら、マナモードにしてたつもりが大音量でパパさんの「あれ?すぐ止まっちゃう」が薬局中に😱まじ、焦ったぁ😅
ウケるw パパもまさか自分の声が、遠く離れた地の薬局で轟いているとは思いもしないだろうな。
いつも見てコメントもくれて、ブログ書くモチベーションになってるよ😄
もう一度読み返してみると、ニュージーランド政府への評価とか、貨幣制度とか割と万人にわかりやすい説明の仕方していて、改めて文才があるなって思った。
最近のブログのレベルあがったね。よくやってる。
長々と書いた箇所もちゃんと読んでくれたんですね、ありがとうございます!
自分の頭を整理するためにブログに正確にアウトプットすることを心がけました。
読者にとってはどうでもいい内容で退屈だろうなと思っていたので、「よくやってる」という評価をいただけて嬉しいです。