台湾新生活-Day31「暇の必要性」

↑写真は去年の今日、ブエノスアイレスで撮影した「世界で2番目に美しい図書館」にて撮影

働きまくっていた時代

台湾で会計事務所を経営していた頃、僕はまさに馬車馬のように働いていました。

24時間365日、常に仕事のことを考えていたと言っても過言ではありません。

目の前の仕事を「自分にしかできない仕事」だと言い聞かせ、

正月休みで実家に帰っても、食事の時以外はパソコンを開いてずーっと作業をしていたり、旅行に行ってもメール対応などに追われていました。

業績は右肩上がりで伸び、周りからも多少チヤホヤされ出したこともあって、

正直、当時はそんな自分に酔いしれていたようにも思います。

忙しい俺、すげー。

みたいに。

今振り返ると、かなり危険な状態でした。

忙しいと頭が悪くなる

ちょうどこの頃、仲良くしている先輩経営者に

「あまり忙しくしてると、他のことに目が向かずに視野が狭くなるから注意した方がいいですよ。そうやって頭悪くなっていった人何人も見てきたので。」

と言われて、はっとしました。

確かに、当時は、自分が知らない業界の話や、ビジネスで繋がりそうにない人の話を聞くと、

俺には関係ないから、こんなこと知らなくてもいい

と自分の無知を、傲慢さでひた隠していました。

一方、その経営者さんは、自分と全く違う業界のこともちゃんと勉強して、いろんな方面にアンテナを張っているので、話題も人脈も豊富でした。

「僕は戦略的に自分を暇にするようにしてて、その空いた時間で勉強したり、いろんな情報に当たるようにしています。」

と教えてくれました。

暇を作る工夫もせずに、とにかく忙しく働いて、そこに満足してしまっていた自分を猛烈に反省しました。

ここで気が付けていなかったら、僕はまさに裸の王様になっていたと思います。

暇は多忙よりも難しい

そこから数年が経ち、

「自分にしかできない仕事」だと思っていた仕事も、後任が全てきちんと引き継いでくれて、今ではそれ以上の価値を産んでくれています。

僕は、世界一周に出かけ、色んな価値観に触れ

「世界は広いし、自分にはもっとやりたいことがあるし、自分はまだまだ未熟」

ということを悟りました。

忙殺されていた仕事から、2年以上の時間を空けて、頭もだいぶ柔軟になりました。

会計士と語学力の2軸は、僕にとっては貴重な武器ですが、それしかなかった自分が、それに甘んじて他のことを一切勉強しなければ、成長は止まっていたはずです。

最近は仕事も再開していますが、懸命に働く一方で、意識的に暇を作るようにしています。

暇を作る努力をして初めて、

暇を作ることは、忙しく働きまくることよりも難しいことなんだと実感しています。

仕事を取捨選択したり、人を信頼して任せたり、かなり神経を使うし、その上で周囲からの信頼も得るためには、短時間で圧倒的な成果を出す必要もあります。

暇→不安→努力

暇になると、自分と向き合う時間も増えて、不安になったりすることもあります。

ただ、この不安は悪いことではなくて、

不安だからこそ、このままではダメだから勉強しようという気になるし、色んなことに挑戦しなければという動機にもなります。

最近は、暇な時間で、新しい仕事を考えたり、プログラミングの勉強をしたり、本を読んだり、自分の可能性を広げるための投資をしています。

毎日のブログ更新も、暇だからできることだし、

こうした小さな工夫が積み重なって、大きな成果を産むことを信じて取り組んでいます。

考える暇もないほど忙しい日々　に満足していた自分　から、

考える暇を作る→暇で不安になる→適切な努力する　

という境地に辿り着けたことが、ここ数年での1番の成長かな

なんてことを、暇すぎて考えた火曜の朝でした。